jibunです。
コーチや部活指導に関わる皆さんは「良い練習メニュー作成」ができていますでしょうか?
私は週6回の練習メニューを作成し続けて4年目の現役プロコーチです。
普段は大学生、中高生を中心にコーチングをしています。
そんな私が今回の記事でこのような疑問を解決します。
- 良い練習メニューとは?
- 悪い練習メニューとは?
良い準備をして練習に臨み、コーチ自身も練習を楽しみましょう!
自分自身が普段行っている練習はどのような練習でしょうか?
自身の普段の振り返りの材料としてお使いください!
良い練習メニューと悪い練習メニューの特徴8選
コーチの皆さんは、毎回様々なメニューを作り、試行錯誤を繰り返していると思います。
わかります!練習メニューを作るのは非常に大変ですよね!
冒頭に練習とは「構造化された即興」と表現しました。
しっかりと準備することが大切です、
準備のために、それではそもそも「良い練習とは?悪い練習とは?」というところから知っていきましょう!
良い練習メニューの特徴①:「どの技術が上達するのか」がわかりやすい
まず1つ目は、「どの技術が上達するのか」がわかりやすいことです。
つまり、練習の目的がはっきりしていることです。
しかも、このような練習では、練習の目的を「一言で表す」ことができます。
「この練習はこの〇〇スキルを練習します」と端的に表現できると良いです。
選手にとって、わかりやすさは非常に大切です。
またコーチが指導の際に、ブレずに実施できる、というのも良い点です!
良い練習メニューの特徴②:「練習のやり方の説明」がわかりやすい
2つ目は「練習のやり方の説明がわかりやすいか」です。
練習メニューの説明は、大きく3つについて話します。
- 練習のやり方
- 練習の目的
- 練習のポイント
これらを全部混同して説明していませんか?
良い練習は、「練習のやり方」がわかりやすく説明後にすぐにスタートできます。
速く狙った動きが実行されるので、練習精度としてはかなり高い状態でスタートできます。
練習のやり方に手こずると、なかなか先に進めなくなり、集中力が落ちてしまいます。
良い練習メニューの特徴③:「練習の幅を持っているか」
3つ目は「練習の幅」です!例えば…
- 簡単過ぎて、すぐにクリアしてしまった場合
- 難しすぎて狙い通りいかない場合
という場面で活きます!練習では必ず起きる現象です。
これは先ほど述べたところだと、練習における「即興」に当たる部分です。
「選手の進行状況に合わせて、レベルアップ/ダウンできるように準備してあること」です。
これは練習メニュー作成の時点で準備ができていると非常に心強いですね。
練習中におけるプレーのミスに対しても想定されているので、
必要以上に苛立ったり、声を上げなくても指導できます。
良い練習メニューの特徴④:伏線回収
4つ目は「伏線回収」です。
以前、練習メニューについて「ストーリー性」という考えを解説しました。
「1日を通して、またはシーズンを通して練習に関連性があるか」です。
またこの伏線は年間も通してできるとより効果的です。
同じような練習メニューでも、少しづつ難易度が上がっていると、
選手もレベルアップしていると感じやすくなります。
選手への練習振り返る(クロージング)の際にも、簡単に説明できるようになります!
良い練習メニューの特徴⑤:選手のやる気に依存しない練習
これは少し特殊かもしれませんが、かなり重要だと考えます。
これは私のコーチとしての哲学かもしれません…が!
「選手のやる気に関係なく参加したら上達できる」というのが良い練習メニューかと思います。
特に選手のモチベーションに悩んでいるコーチには、この考え方は有効です。
矢印を選手に向けるのではなく、自分自身に向けます。
この考え方でメニュー作成できるようになると、
コーチとしては、選手の「やる気」という実態のないものの戦いをする必要がなくなります。
「なんでできないんだ!」「なぜやろうとしない!」という発言もなくなるでしょう。
なぜなら全てはコーチの練習メニューのせいになるからです。
やる気の見えない選手こそ、「練習した通りプレーしている」瞬間に立ち会えると気持ちいですよ!
ここからは逆に「悪い練習」について考えていきましょう!
悪い練習メニューの特徴①:ゴールのない練習
1つ目は「ゴールのない練習」です。
ゴールとはここでは2つの意味で用います。
- 時間や本数
- 目的・テーマが不明
このような練習は不毛で、退屈です。
また「反復」や「体力・メンタル強化」という都合の良い言葉でまとめ、
ただただ身体的、精神的に追いつめるだけになります。
ただ、きついだけ、たくさんやっただけで満足するのは怠惰なコーチだけで、
選手にとってはただ迷惑なだけです。
悪い練習メニューの特徴②:安全性の欠如
安全性はコーチや指導者が最も気を付けることです。
安全性は大きく3つ
- 練習場所の配慮(広さ、障害物、待機場所など
- 競技レベル(初心者と熟練者)
- 疲労度
突発性のケガや事故を未然に防ぐ配慮が必要です。
走った先に障害物や人がいないか、グラウンド状況、あらゆるリスクを洗い出します。
選手間で競技レベルに差がある際も注意です。
負荷のかかり方はされぞれのレベルで大きく異なります。
疲労度は数値で見ることができる場合(走行距離、強度、RPEなど)もありますが、
選手と細かくコミュニケーションをとっておく必要があります。
正直それでも事故やケガは起きます…が、最大限の配慮が最低限の仕事です。
悪い練習メニューの特徴③:ズレていく練習
3つ目は「ズレていく練習」です。
こちらもたびたび現場で見かけるもののうちの1つです。
特定のテクニックやスキルの上達を狙って練習メニューを作成すると思いますが、
練習中に少しずつズレることがあります。
よく周囲を見ているコーチ程、どんどん他のことも気になってしまいます。
その全てをカバーしようとすると、結局どっちつかずになります。
即興としてカバーしようとすること自体は間違いではありません。
「ズレていることを自覚できているか」が重要です。
自覚していれば、練習の目的として一貫性を持つことができます。
まとめ:コーチも試行錯誤が大事
ここまで、「良い練習」と「悪い練習」について解説してきました。
皆さんは普段の練習は、どれに当てはまるでしょうか?
ここで大事になってくるのは、「常に良い練習をする」ことではなく、
「常に良い練習かどうかをチェックしていく」ことだと思います。
自身の練習を振り返る習慣を作り、目指していくことが大切です。
科学のように、仮説・実験・検証・考察のサイクルを繰り返します。
また、そのサイクルを選手にも理解できるように落とし込む必要があります!
この試行錯誤のサイクルが良い練習への近道になります!
それでは!
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